裸のラリーズ「LES RALLIZES DENUDES '77 LIVE」(1991)
今では完全な伝説だろうが、80年代頃はまだラリーズはポツポツとライブをやっていた。
しかし、なんというか簡単に手を出してはいけない領域のような気もして、若僧は遠慮していたのだ。
良いも悪いも含め、ラリーズは孤高の存在であった。
そんなラリーズに掟破りのアプローチをした者がいた。
早稲田大学前衛ロック研究会「ユーテラス」である。なんと学園祭でラリーズのライブを企画したのだ。
当時はバンドを呼んでライブを企画するなんていうことが大学の学園祭で花盛りであった。その恩恵で随分とおもしろいライブを廉価で見れたものだ。
しかし、ラリーズというのは恐れ知らずもいいところではないか。
学園祭のライブのビラとは思えない高級感のあるモノクロのビラと共に前売券が売られ、僕も買ってしまった。
1987年11月1日、僕は昼間の光を完全に遮断した教室に座ってラリーズを見た。
自分の人生の中で唯一のラリーズ体験だ。
その頃聴き込んでいたガリガリのバンドの比べて、ラリーズの音には不思議な透明感があった。
何者にも真似できない何物かがあった。
そして、しばらくした後のモダ〜ン・ミュージックでかかっていた音、それはその時に経験したラリーズの音だった。
クリアなスタジオ録音の音。この頃、ラリーズのアルバムが出ると噂されていたのだ。
しかし、彼らのアルバムが出ることはなかった。
今ではブートだかなんだかわからないものが結構手に入るらしい。
しかし、音源がないというのが昔のラリーズのステータスだった。
その状況を打破するように3枚のCDが出たのが90年代の初め。いずれも過去の音源を発掘したもの。
そのうちの一枚がこれだ。1977年のライブ。
これがあればいいというものでもないが、これがあってくれてよかったと思う。

