2009年08月31日

LAUGHING HYENAS「LIFE OF CRIME」

LAUGHING HYENAS「LIFE OF CRIME」

LAUGHING HYENAS「LIFE OF CRIME」(1990)

やはりジョン・ブランノンは凄い男なのである。どう考えても凄い男なのだ。

まずはネガティヴ・アプローチ。シカゴから80年代のアメリカン・ハードコアという地平を切り拓いていったバンドである。ある意味でマイナー・スレットと同格の位置になると言っても過言ではないのではないかと思う。シンプルで激しい音の構造は本来のストレート・エッジに繋がるものだし、激しい怒りを叩きつけるアティテュードはハードコアの基本になった。

今やっているイージー・アクションも凄い。強烈かつ凶暴なパンク・サウンドであるが、狂ったようなブルースでもある。
その音の滋味の深さとストレートな力強さは他に類を見ないと思う。

その間に25年以上のスパンがあるのだ。継続が力なりかは知らないけど、やっぱり凄いと言わざるを得ない。

そのスパンの真ん中に堂々と存在するのが、このラフィング・ハイエナズ。
ネガティブ。アプローチのストレートな音から、後のイージー・アクションに繋がるブルース色を加えたパンク・サウンドに変わっていっている。これがまた絶妙のブレンドで素晴らしい。
時代的にはグランジの頃である。その角度から言っても十分に通用する激しさとセンスがある。
ペラペラのメロコアなんかとは百万光年の隔たりがある濃いパンクである。

やっぱりジョン・ブランノンは凄いと思う。

その他無人島に持って行きたい作品
LAUGHING HYENAS「CRAWL」(1992)
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2009年08月23日

CATO SALSA EXPERIENCE AND THE THING WITH JOE MCPHEE「SOUNDS LIKE A SANDWICH」

CATO SALSA EXPERIENCE AND THE THING WITH JOE MCPHEE「SOUNDS LIKE A SANDWICH」

CATO SALSA EXPERIENCE AND THE THING WITH JOE MCPHEE「SOUNDS LIKE A SANDWICH」(2005)

カトー・サルサ・エクスペリアンスとジャズ方面の方との共演ライブ。
ジャズ方面の方というのは随分と端折った言い方だが、あまりその方面の知識がないのでご勘弁を。

ジャズと言ってもどうもフリー・ジャズ関係のようで、まあ、それは音からの想像だが、レイドバックした感じは全くない。
カトー・サルサはガレージ系のバンドで、僕もひと頃は随分聴いたが、音が段々と落ち着いてしまってからは聴いていない。しかし、ここで聴ける彼らの演奏は初期の尖ったそれである。
つまり、尖ったガレージとフリー・ジャズの共演である。どういう経緯でこの組み合わせになったかは知らない。
しかし、すごい演奏なのだ。

ギターが歪めば、サックスが咆哮する。ドラムがロールすれば、これまたサックスが爆発する。
密度の濃厚な音のやり取りがライブの緊張感の中で炸裂する。
ツェッペリンやヤー・ヤー・ヤーズのカバーなんて選曲もよくわからんが凄い。

こういう異種格闘技戦は好きだ。
スタジオ盤も1枚出ているらしいのだが、手に入らんのだ。
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2009年08月18日

CHAOTIC DISCHORD「FUCK RELIGION FUCK POLITICS FUCK THE LOT OF YOU!」

CHAOTIC DISCHORD「FUCK RELIGION FUCK POLITICS FUCK THE LOT OF YOU!」

CHAOTIC DISCHORD「FUCK RELIGION FUCK POLITICS FUCK THE LOT OF YOU!」(1983)

イギリスのハードコア・パンクが日本に紹介されたのは80年代の前半だろうか。VAPあたりが頑張って日本盤を出していた。VAPは偉かった!と言いたい。
アメリカの同系のバンドが全くと言っていいほど日本盤が出ていなかったのを考えると、完全に「英高米低」な状況だった。

当時のイギリスは、ハードコアもあったし、Oiもあったし、一言でイギリスといっても色々あったわけだけど、紹介のされ方が一緒くただったような気がする。その頃はあまり情報もなかったし、詳しいことはわからなかった。
ディスチャージもディスオーダーもエクスプロイティッドもブリッツもGBHもアブラシヴ・ホイールズもカオスUKもクラスもコンフリクトも皆イギリスのハードでコアなパンク・バンドのように見えた。
(さすがにトイ・ドールズは違ったか)
一般的な論調もやや蔑みを含んだ感じで「ハードコアなみな一緒」だったし。
このカオティック・ディスコードもである。イギリスのおっかないハードコア・パンクと思っていた。
邦盤のタイトルも「失望」(だっけ?)だったし。

しかし、実際にはどのバンドも皆違っていて、それぞれに個性があった。
このカオティック・ディスコードなんぞはハードでもコアでもないヘッポコ・パンクである。ドタバタのB級パンクである。とにかくやたらめったら「Fuck!」を連発するだけのアホんだらである。
そんなにファックだデストロイって言っちゃダメだ。

ディスチャージのような凄みやコンフリクトのような主張などない。でもそれでいいのだ。こいつらは確実にパンクのある一面を的確に捉えている。
この盤には残念ながら収録されていないが、このバンドのある意味で名曲に「Fuck Off And Die」というのがあるが、とにかく「クソったれ、死んじまえ!」なんである。
それもパンクというものだ。いいじゃねえか。
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2009年08月15日

HOLE「LIVE THROUGH THIS」

HOLE「LIVE THROUGH THIS」

HOLE「LIVE THROUGH THIS」(1994)

ホールのアルバムで一番好きなのは「CELEBRITY SKIN」だけど、この「LIVE THROUGH THIS」にも強い思いがある。
カート・コバーンが自殺したのと同じ月(というか直後)にリリースされ、そしてこのタイトルである。やっぱり何かを感じないわけのはいかない。

そういう因縁というかドラマめいたものとは別に、とにかくこのアルバムを聴いてびっくりしたのはよく憶えている。
最悪に近いノイズの垂れ流しだったファーストとは全く違った音だったからだ。一曲目の「Violet」の加速して爆発する音はファーストのホールでは考えられないぐらい引き締まっている。
全編の音のタイトさと性急さはまつわる色々なことを全てチャラにしてしまうぐらいの力がある。

一説では夫のカートがゴーストライトしているとか、ニルヴァーナの成功に嫉妬して売れるような音にしたとか、いろいろ言われているらしいが、そんなことはどうでもいい。
コートニーは何かを振り切ったのだろう。そういう意志が感じられる音だ。
エクスキューズ抜きの最上のオルタナティヴ・ロックである。

その他無人島に持って行きたい作品
HOLE「CELEBRITY SKIN」(1998)
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2009年08月14日

フィンガー5「個人授業」

フィンガー5「個人授業」

フィンガー5「個人授業」(1973)

マイケル・ジャクソンが死んだが、あまり感慨がない。80年代に青春を過ごした人間なので、少しは聴いていてもよさそうなものだが、ほぼ完璧にマイケル・ジャクソンを聴いたことがない。
ある種のフリークスぶりには興味があるが、それとて彼個人の問題であり、他人がどうこう言うことでもない。

もし彼との何かの繋がりを探すとしたら、ジャクソン5をパクってフィンガー5ができて、僕は幼少時にかなり影響を受けたということだろうか。かなり強引である。
しかし、僕が最初に買ってもらったレコードはフィンガー5の「名犬ラッシー」というシングル盤なのだ。
原点なのである。

まあ、小さい頃はよく聴いたが、もちろんジャクソン5のことなど知らなかった。普通に歌謡曲として聴いていただけだ。
後年聴き返したら、やたらとファンキーなのでびっくりした。
やはり目指すところがそういうことなのだろう。

よくカバーされる「恋のダイヤル6700」や「学園天国」に比べて地味かも知れないが、デビュー曲の「個人授業」は名曲。
イントロの分厚いギターからして超絶である。サビのアキラの絶叫もまたすこぶるファンキーだ。
ちなみにジャケットのイラストは「ドカベン」の水島新司によるもの。

その他無人島に持って行きたい作品
フィンガー5「恋のダイヤル6700」(1973)
フィンガー5「学園天国」(1974)
フィンガー5「恋のアメリカン・フットボール」(1974)
フィンガー5「名犬ラッシー」(1975)
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2009年08月09日

DEEP PURPLE「IN ROCK」

DEEP PURPLE「IN ROCK」

DEEP PURPLE「IN ROCK」(1970)

いわゆる第一期のパープルは後に名を馳せるハードロック・バンドのそれとは全く違う音だったのは有名だ。どちらかと言えば少しサイケで、クラシックからの影響が色濃いアートなバンドだった。
リッチー・ブラックモアにしてもジョン・ロードにしてもそういう志向性は確実にある。

それが一気にハードロックに針が振れたのがこのアルバム。イアン・ギランが入ったのが大きいだろうが、これは一種開き直ったとしか思えない。
カルトがポジパンと呼ばれていたところから、「ELECTRIC」で「だってツェッペリンが好きなんだもん」と言っていきなりハードロック化したようなものか。いや、もちろんカルトの方パープルより後だけどね。
しかし、カルトがやや無邪気に自分たちの本性を告白したのに比べて、パープルの場合もう少し計算高くて戦略的だ。つまり、時代の流れ的にハードロックの方が「受ける」と考えたのだろう。
RCサクセションがブレイクしていく過程に近いような気がする。
70年代は不可避的な表現スタイルに追い込まれていく時代ではなく、自らの意思でスタイルを選び取る時代であった。

とは言ってもそれは悪いことではない。
マーク・ボランは「金がないのにはもう飽きた」と言ってアコギをエレキに持ち替えて、ティラノザウルス・レックスをT.レックスにした。
その結果、T.レックスという奇跡を生んだのだ。
パープルもそれは同じ。
開き直ったにせよ、計算をしたにせよ、このアルバムでの爆発ぶりは誰も否定できない音楽的遺産だ。後の構築的になっていく音以前のとんでもなく原始的な力任せの、ほとんど狂っているかのような暴走である。
「Speed King」が最高だ。素晴らしい。

その他無人島に持って行きたい作品
DEEP PURPLE「LIVE IN JAPAN」(1973)
DEEP PURPLE「DEEPEST PURPLE」(1980)
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2009年08月03日

ファントムギフト「ザ・ファントムギフトの世界」

ファントムギフト「ザ・ファントムギフトの世界」

ファントムギフト「ザ・ファントムギフトの世界」(1987)

80年代の日本にネオGSブームというものがあった。
正直言って最初は全くピンと来なかった。80年代の日本のカルチャーにありがちなおちゃらけだと思った。
一体全体何でも「ネオ」をつければいいってもんじゃないよ、まったく、と思った。
しかし、ファントムギフトに触れて、その認識は変わった。
いや、ネオGSなんてものはどうでもよかった。ファントムギフトが偉大だったのだ。ファントムギフトだけが本物だったのだ。

最初の遭遇はライブだった。
メンバーが出てきて、ナポレオン山岸のギターが過剰なファズとともに鳴った瞬間に思った、こいつら伊達や酔狂じゃないと。それに導かれて繰り広げられるパフォーマンスは完全にGSになり切っていた。
何故そこまでやる必要がある?
客はもうすでに固定ファンがついていて、モンキーダンスを激しく踊っている。
一体これはなんなんだ?
そして演奏が凄かった。前述のナポレオン山岸のギターは一歩間違えればジミヘンだし、リズム隊の軽い抜け方もGSの完コピにガソリンをぶちまけたみたいだった。
それにピンキー青木のボーカル。その頼りなさまで完全にGSだった。

日本におけるガレージサイケはGSであった、という大胆な仮説。そこに立脚して日本のガレージサウンドを蘇生させる。
そんな発想をしたとしても普通はやらない。でも彼らはやったのだ。レコードのジャケット、曲のタイトル、歌詞、メンバーのニックネーム、衣装、曲のアレンジ、全てGSの完全コピーである。
彼らは徹底してやった。他のネオGSのバンドは彼らほど徹底していなかった。
彼らには言い訳がなかった。彼らは本気だったし、何かに絶望していたし、何かに確信していたのだと思う。

バンド名は「亡霊の贈り物」、完璧じゃないか。

解散後に出た初期音源、デモを集めたアルバムも非常に興味深い。

その他無人島に持って行きたい作品
ファントムギフト「ザ・ファントムギフトの奇跡」(2003)
posted by はせお at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 無人島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月02日

CSS「CANSEI DE SER SEXY」

CSS「CANSEI DE SER SEXY」

CSS「CANSEI DE SER SEXY」(2006)

ブラジル出身の女5人男1人の6人組。
これがファーストで、今は少しメンバーが変わっているかも知れない。

さて、ブラジルの音楽なんて聴いたことないぞ。いや、ハードコアはある。ブラジルと言えば結構ハードコアのメッカである。パンクやハードコアは世界中にあるので、少し枠外。
いかにもなブラジルらしい音楽は聴いたことがない。ダンス・シーンにも疎い。なんとかファンキとか言われてもなんだかわからん。
でも、このバンド・この盤は好きだ。

やっぱりこれは80年代のニューウェイヴだ。ポストなんてのがつかない純正のニューウェイヴだ。
ライブを見て思ったけど、テクニックはなくてもセンスとキャラ(ラヴフォックスのキャラね)だけで勝負する姿勢は明らかにあの頃のバンドと同じ匂いがした。
楽器を練習したり勉強したりする前に始めてしまう、その発想がニューウェイヴであり、パンクだ。
自由奔放さ加減は本当に嬉しくなるほど見事なのだ。

セカンドはもう少しがっちりと出来ている。それはそれで彼女たちの成長である。

その他無人島に持って行きたい作品
CSS「DONKEY」(2008)
posted by はせお at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 無人島 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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